貸したお金を返して欲しいときの内容証明、例文

親戚や元恋人、知人にお金を貸したが返してくれない、というトラブルは珍しくありません。返済を内容証明で求めたい、という場合をご紹介します。

 

借金返済を求めるポイント

「貸したのか、あげたのか」「最初から貸したものか」「借用書などの証拠があるのか」「連絡が取れる状態か」「返せる状態か」「返済期限があるか」「時効はどうか」「法人か個人か」などのポイントがあります。

貸したのか、あげたのか

お金の貸し借りで重要なことは、それが貸したお金なのか、贈与したお金なのか、です。よくあるケースは、結婚したときに家の頭金や結婚式の費用を受け取り、離婚のときに返済して欲しいなどです。基本的に、借したお金は返して貰えますが、贈与したお金を返してもらうことはできません。ただ、マイホームの頭金などは家を売って、残ったお金から一部を返して貰える可能性があります。

最初から貸したものか

最初から「貸す・返す」という約束だったのか、「特に決めていなかった・あとから返すということになった」かは違います。よくあるケースは、恋人が別れるときです。デート代や同棲中の家賃をなんとなく男性が負担していたが、別れるときに返済?を求め、女性が「分かった、払う」と言った場合です。これは厳密には「返す」ではありません。こうしたケースは必ずしも請求して認められるとは限りません。

借用書などの証拠があるのか

お金を貸したとき、借用書があれば返済を求めやすいでしょう。借用書がないとダメ、ということではありません。

返済期限があるか

貸したときの返済期限も重要です。期限が過ぎていれば請求できますが、まだ期限に到達していないときには返済が求められない可能性があります。返済期限を定めていない場合、請求するところからスタートです。

時効はどうか

時効(消滅時効)という言葉を聞いたことがあると思います。個人間の貸し借りの場合、5年か10年がポイントになります。2020年の民法改正や債務の承認など、説明すると長くなるので割愛します。

法人か個人か

貸した相手が会社経営者の場合は注意が必要です。いくら貸した個人(社長)が大金持ちでも、貸した相手が会社で、その会社が倒産したら返済されない可能性があります。詳しくは弁護士さんにご相談ください。

連絡が取れる状態か

これは重要です。どんなに借用書があっても、相手が行方不明の場合は請求が困難です。

 

借金返済を求める手段

お金を返して欲しいとき、まずは自分で電話やメール、手紙などで請求すると思います。しかし、返済されないことがあります。そうしたとき、内容証明で請求する、裁判所で民事調停や支払督促をする、少額訴訟、通常の訴訟などが考えられます。

ここで重要なことは、難しいアクションをするほど相手の態度が硬化する可能性が高い、という点です。

例えば、相手が完全に債務を認めていて、借用書もあり、時効などもまったく気にしなくて良い場合はいきなり訴訟でも良いのかもしれません。しかし、そういうケースばかりではありません。貸したか贈与したか曖昧なケースや、そもそも払う(返す)義務があるか微妙なケースはたくさんあります。そうしたときにいきなり強硬な手段をとっても、相手も意地になって難しくなるかもしれません。

まずは穏便に、債務を認めさせ、借用書を残す(作り直す)ことを目的にした方が良いケースもあります。そうした場合に、内容証明が有効かもしれません。

 

内容証明のよくある例文

 

通 知 書

 

札幌市南区~

山田 花子 殿

 

             令和2年1月1日

             札幌市清田区~

 

令和元年9月1日、貴殿に対して金200万円を貸し渡しましたが、これを来たる2月1日までに返還されるよう催告します。返還なき場合、裁判所へ支払督促を申し立てること、付言しておきます。


いかがでしょうか…? これを受け取って、円満に解決しそうでしょうか…? 当たり前ですが、お金がないから借りたのです。いきなり一括で返せる人の方が少ないでしょう。

 

落としどころは返済プランと借用書の再作成

お金を返して欲しいとき、妥協点を決めることが大切です。ムカつく気持ちは分かりますが、脅しても良い方向には進みません。

いきなり「全額返済しろ」ではなく、「返済について話し合いたい。現在の状況を知りたい。分割払いにする考えもある。」と連絡してみるのがオススメです。

そして、借用書を作成、もしくは再作成し、1万円でも良いから返済して貰いましょう。こうすることによって、債務の承認となり、債権がはっきりし、時効がリセットされることになります。

そして、借用書には連帯保証人をつけることもオススメです。通常であれば、本人にしか請求できません。しかし、相手の親などを連帯保証人にすることで、また返済が滞った場合に、相手の親に請求できることになります。格段に回収しやすくなります。

その他、利息や遅延損害金、回収費用の負担など、さまざまなことを盛り込んだ借用書が作成できると楽になります。微妙なケースほど、慎重に請求されることオススメします。

 

実際に内容証明を送ることで返済されたケース

当事務所で実際にあったケースをご紹介します。(守秘義務があるので脚色しています。フィクションです)

ある女性が交際相手だった男性に50万円を貸していました。別れるにあたって、返済を求めました。借用書はありませんでしたが、LINEで返して欲しい、返す、というやり取りは残っていました。最初はLINEで請求していましたが、月末までに払う、と言われて待っていても払われず、そのうちLINEを送っても既読にならなくなりました。その後、当事務所に相談されました。男性の住所は分かっていること、男性が働いていること、返済を認めていることなどから、内容証明を作成して発送しました。その結果、一括では払えないが、分割払いで返済したい、という連絡が来ました。分割払いの債務承認弁済契約書を作成し、無事に返済されました。

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