養育費の請求と内容証明

養育費を払ってくれない場合に内容証明で請求することがあります。離婚協議書や公正証書などの書類がある場合でも、書類がない場合でも、どちらでも養育費は請求できます。

 

養育費の約束をせずに離婚したケースが6割

離婚のとき、養育費について離婚協議書や公正証書、調停調書などの書類を残すことが理想です。しかし、現実には母子家庭全体の60.1%は養育費の約束をせずに離婚をしています。(平成23年度母子世帯調査より) 簡単に書くと『そもそも6割の母親は、最初から養育費を請求しなかった』ということです。

ではなぜ、養育費を請求しなかったのでしょうか?

調査の内訳は

『相手に支払い意思や能力がないと思った』 … 48.6%

『相手と関わりたくない』 … 23.1%

『交渉したがまとまらなかった』 … 8.0%

『交渉がわずらわしい』 …4.6%

となっています。よくあるケースです。離婚のときは『1秒でも早く離婚したい』『なにされるか分からないので、なにも請求したくない』など、さまざまな理由により、養育費を請求しないことがあります。ただ、離婚後、しばらくすると落ち着いて『やっぱり養育費を貰えばよかった!』と考えられるかもしれません。養育費は、離婚後でも請求することが出来るので大丈夫です。

 

よくある間違い、勘違い

養育費の請求についてよくある勘違い、例外をご紹介します。

養育費を請求しない、と言ったことがあっても請求できる可能性がある

養育費を受け取る権利とは、お子様の権利です。勝手に親同士で貰わないと約束することはできないと考えることが一般的です。民法881条(扶養請求権の処分の禁止)に書かれています。ただ、特別な事情がある場合などには、養育費を請求しないという約束が認められることもあります。

個人的には、離婚時にどう言ったかは関係なく、その時点で養育費がどうなるかが重要だと思います。詳しくは【養育費を請求しない 民法881条】で検索してみてください。ちなみに公証役場では養育費を払わない、請求しない、という内容で書いてくれません。法的に微妙なためです。

養育費と慰謝料は相殺できない

同様に「慰謝料と財産分与を請求しない代わりに養育費も請求しない」という約束も無効である可能性があります。基本的に養育費と慰謝料は相殺できません。【養育費と慰謝料は相殺できるのか 弁護士】で検索してみてください。

よくあるのが、マイホームを売っても赤字になる場合(オーバーローンと言います)です。「この家を売ってもローンが◯百万円残る!借金を半分払え!払えないなら養育費はなしだ!」という感じですね。家の名義によりますが、マイナスの財産も放棄できるので、母親とお子様には関係ないかもしれません。

元夫が無職でも養育費は請求できる可能性がある

父親が無職だから養育費を請求できない…と思うかもしれません。しかし、父親が無職でも養育費の請求が認められたケースがあります。”潜在的稼働能力”という言葉があります。これは本当は働ける、もしくはもっと高収入で働けるはずの人が、本来はどのくらい稼ぐことができるか、ということです。本当は働けるのに、養育費を払いたくないから”わざと”働かないなんてダメですよね。

詳しくは【養育費 潜在的稼働能力】で検索してみてください。ただ会社が倒産したとか、病気であるとか、理由がある場合は難しいでしょう。

元夫の年収が分からなくても大丈夫

父親の年収が分からなくても大丈夫です。「そんなに払えない!」と言うなら、父親が所得証明書でも源泉徴収票でも見せてくれれば良いですよね。

児童扶養手当は関係ない

「お前は母子手当を貰っているからいいだろ!」という人が多いのですが、児童扶養手当は養育費の算定表の計算に含まれません。

 

公正証書がある場合でもまずは内容証明?

養育費の支払いについて公正証書を残している場合、「強制執行」ができるかもしれません。しかし、デメリットもあります。離婚後に養育費を請求する方法は「調停」「強制執行」「話し合い」があります。(他にもあります)

養育費請求調停

調停で決める場合です。裁判所のHPに詳しく書かれています。(養育費請求調停) この調停は公正証書や離婚協議書がある場合でも利用できます。この手続きは裁判所から父親本人に連絡が行きます。父親の会社には知られません。裁判所から連絡があることで、父親も払ってくれるかもしれません。ちなみに、調停で結論がでなかった場合は…

なお,話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,裁判官が,一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

と書かれています。(引用元同じ) 費用は「収入印紙1200円分(子ども1人につき)」と「連絡用の郵便切手代」だけです。費用が数千円程度で、とっても魅力的なのですが、なかなか気軽には利用しにくいようです。その理由は「お互いに働いているので、平日に何度も仕事を休むのが難しい」「家庭裁判所に行って手続きするのが面倒、抵抗がある」「せっかく平穏に暮らしているので、ストレスを増やしたくない」「父親が無視した」などがあるようです。

強制執行

強制執行とは、強制執行について承諾のある公正証書などがある場合に、父親の給料や預金口座を裁判所が差し押さえる裁判所での手続きのことです。ほとんどの場合、預金や不動産などではなく、給料だと思います。つまり、裁判所から父親の会社に連絡が行くのです。母親から父親ではなく、裁判所から父親の会社に連絡が行く、ということがポイントです。

強制執行をすることで養育費を差し押さえできるかもしれません。しかし、元ご主人が会社を辞めるリスクも大きいと思いませんか? 職業や性格によるとは思いますが、そもそも養育費を払わない父親は辞めるリスクが高いと感じます。絶対に会社を辞めたくない、知られたら恥ずかしいという普通の人は、そもそも養育費を払うからです。強制執行されたら自分が困ることはちょっと考えればわかることです。

父親が会社を辞めても養育費がゼロになるとは限りません。しかし、現実的には母親と子供が困ります。父親が公務員の場合など、絶対に辞めないと思える場合は問題ないかもしれませんが…。

話し合い&内容証明

最終的にどんな方法や結果になるにせよ、まずは本人同士で請求することから始めることがほとんどです。上記のようなリスクやデメリットはありません。ただ、このページを読んでいる人は、話し合いがダメだった方だと思います。弁護士さんに依頼して請求して貰う、説得して貰う、という方法も良いと思いますが、費用が心配だと思います。

そこでやっと本題ですが「内容証明郵便で養育費を請求する」という方法があります。内容証明郵便は父親本人に送るので父親の会社に知られることはありません。土日祝日でも発送できます。すぐに発送して、父親に届きます。費用も自分ですべて行えば2千円以内です。LINEやメール、普通郵便で送るより迫力があります。あとで内容証明を送った時点から養育費が認められる可能性があります。

こうした理由から、養育費を請求するときはまずは内容証明を送ってはどうですか?という情報やアドバイスが多いのだと思います。

内容証明で大切なことは、送ることではなく、相手が納得することが目的、ということです。養育費を払わないと父親がどう困るだけでなく、子供の成長や養育費への感謝などもあると良いかもしれません。脅すだけでは人は動きません。特にプライドの高い男性は余計に態度が硬化します。

たくさんの離婚に関わってきた当事務所だから作成できる内容証明の文面があります。内容証明で養育費を請求される際は、ぜひ、ご依頼いただけると幸いです。

 

行政書士にできること、費用

行政書士は弁護士さんと違って、相手と交渉することは出来ないので、ご自身の代わりに元ご主人を説得することなどは一切、できません。できることは、「内容証明を作成する」ことと「話し合いの結果を文書にする」ことだけです。

内容証明作成の費用は2万2千円(税込み)です。この費用の中に、郵便局への費用、切手代、印刷代、相談料などもすべて含まれていますので、別途、請求することはありません。

離婚協議書や公正証書の作成も行えます。詳しくは【子供の幸せを最優先に考える離婚】をご覧ください。

できるだけ円満に解決するメリット

強制執行や裁判が悪いこと、というつもりはありません。仕方なく、事情があってのことだと思います。払わない側が悪いとも思います。母親に責任や非はまったくありません。

ただ、可能な限り、円満に解決することが理想だとも思います。

将来のことは誰にも分かりません。母親が働けなくなったり、子供が病気になったり、父親が億万長者になる可能性だってゼロではありません。

どんな状況になったとしても、父親と母親の関係が悪化して良いことはほとんどありません

どうせ養育費を受け取るなら、お互いにストレスがない方が良いですよね。当事務所では「人の話を聞かない、自己中でプライドの高い父親でも養育費を払いたくなる内容証明」の作成を目指しています。

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